#7 これから親の家を相続するときのヒント

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1.使い勝手の良い家族信託を利用しよう!

 近年メディアで取り上げられる機会も増え、親の老後を守るために使い勝手の良い制度として評判が高いのが、「家族信託」です。家族信託とは、親が元気なうちに家族などの信頼できる人に、自分の財産を自分の目的に沿って運用管理してもらう制度のことです。2007年に信託法が改正されたことで、財産管理がより簡単になりました。委託者(財産を託す人)と受託者(託された人)が「信託契約」を公正証書で結ぶことで信託はスタートします。

 この制度の大きな特徴は、信託契約の内容の自由度が高い点が挙げられます。この家族信託は、不動産の管理や売却についても契約を結ぶことができるので、親にもしものことがあった場合には、子供に管理を任せたり所有権が渡るようにしておくことができます。流れとしては。その旨を盛り込んだ信託契約書を作って、法務局で不動産の名義を委託者から受託者に変更すればよいです。家族信託の最大のメリットは、相続時精算課税制度を使う必要もなくあるいは贈与税がかかることもなく親の家を売却できることです。

 

メモ:難しい書類作成は専門家に依頼しましょう!

 大きなネックとなるのが、信託契約の書類の作成です。これは、信託業務に詳しい専門家に迷わずに頼る必要があります。なぜなら今のところ、家族信託がまだ普及していないために、「ひな形がない」からです。また、不動産会社によって手続きに時間がかかることもネックといえます。しかし、家族信託の知名度が今後上がればひな形も多く出回ってくるでしょうから、家族信託のハードルはかなり低くなることは間違いありません。なお、作成費用としては、財産が5,000万円以下で50万円程度かかります。

 

2.成年後見制度で認知症になった親の家を売却する

 不動産の名義変更や家族信託の活用には大きな条件があります。それは手続きをする際に、家の名義人である親が認知症ではないということです。もし、親が認知症になったら、不動産の名義変更も家族信託の活用も不可能になってしまいます。それでは、認知症の親の家を売却しないといけない事態になったらどうしたらいいのでしょう?このような時に選択肢となるのが、「成年後見制度」の利用です。認知症を患うと判断能力が衰えるため、各種契約や預貯金の管理が一層難しくなります。そうなった親を家庭裁判所の監督の下で法的に支援するのが成年後見制度です。

 成年後見制度を申し立てる際は、まず親の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立て書を提出します。そして、申し立てをした後に審議が行われ、裁判所の職員が申立人へ事情を尋ねたり、問い合わせたりします。また、必要に応じて、家事審判官という人が直接事情を尋ねたり、親の判断能力について鑑定が行われることがあります。その後に成年後見人候補者の適性調査などを経て、3~4ヶ月程度で制度の利用開始がされます。成年後見人が選任されると、全ての法律行為(日常生活に関する行為は除く)について、本人に代わって行ったり、必要に応じて取り消したりすることができるようになります。

 つまり、成年後見人は本人の財布を預かって、本人の代理人として銀行窓口で預金を下ろすことができるのです。不動産の売却についても、家庭裁判所になぜ家を得る必要があるのかを説明できれば可能になります。確かに、この制度を使えば親が認知症になっても不動産の売却ができ、その費用を老人ホームに充てることができます。しかし、成年後見制度の利用は本当に慎重に決めなくてはいけません。便利そうだから使おうと安直に考えて決めてしまうと、後で取り返しのつかないになってしまいます。

 

メモ:成年後見制度は最終手段として考える

 まず知っておくべきことは、後見人の決定権は裁判所にあり、この人(家族)には任せられないと判断されれば、弁護士や司法書士などの専門職後見人が選ばれることです。そして年間24万円以上という高額な報酬を払う必要が発生します。もしも、無事に成年後見人に選ばれたとしても、成年後見人を監督する成年後見監督人がつくケースがあります。この場合も、同額の報酬が発生してしまいます。なぜ、このようなことが起きるかというと、家庭裁判所は、親族が成年後見人になるとトラブルが起こりがちと考えているからです。

 

メモ:後見制度支援信託を利用する

 さらに覚えておきたいことは、この制度は親が亡くなるまで続くということです。たとえ、不動産の売却が終わったとしても止めることができないのです。この制度を使う場合は、できる限り専門職後見人や成年後見監督人が選任されないようにするべきなのです。そのためには、成年後見制度の中の後見制度支援信託を利用する方法があります。この後見制度支援信託は、親族の成年後見人による不正行為が数多く発揮されるようになったことを背景に、2012年から開始されました。この制度は、本人の財産のうち、日常生活を送るのに十分な額の預貯金だけをこれまでの金融機関の口座に残して、残りを信託銀行等に預けるというものです。

 あらかじめ、成年後見人が勝手に預貯金を引き出せないようにする仕組みです。この仕組みに沿った信託商品は、三井住友信託銀行みずほ信託銀行三菱UFJ信託銀行などで扱っています。最近では、家庭裁判所の初回の面談で、後見制度支援信託を使うかあるいは専門職後見人を立てるかを聞かれている場合が増えており、「後見制度支援信託を利用します!」と答えましょう。ただし面談時に、後見制度支援信託について一切触れられないこともありますので、その場合は、専門職後見人や成年後見監督人が選任される可能性が高いので慎重に判断しましょう。

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